今回から始まる第2版国際法務シリーズは、第35回(国際法務その1)から第68回(国際法務その34)まで続いた「旧版」の国際法務シリーズの改訂版です。ただし、基本的な考え方は「第2版」も「旧版」も同じです。「旧版」である第37回(国際法務その3)で述べましたように:
― 専門家はすべからく「すべての事柄について何ほどかを、そして、ある事柄についてすべてを、知るよう努力すべき(try
to know something about everything and everything about
something)」という言葉は至言です注1。ただし、「知るよう努力すべき」なのであって、「知っているべき」とは言っていないのです。つまり、およそ不可能であることは十分に覚悟しながら、なお「知るよう努力すべき」と言っているのです。どのような「日本法」の分野の専門家になるにしても、「すべての事柄(自分の自称専門分野以外の分野を含めて)について何ほどか」を「知るよう努力すべき」であり、「ある事柄(自分の自称専門分野)についてすべて」を「知るよう努力すべき」なのです。―
このような意味での「すべての事柄」としての「日本法」を「旧版」では14種類(分野)に分類していましたが、「第2版」では以下の17種類に分類することにしました注2。
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日本法の種類(分野) |
英語訳 |
英語の略称 |
1. |
独占禁止法
(公正取引委員会) |
Antitrust Law
(Fair Trade Commission) |
FTC エフ・テー・シー |
2. |
外国為替法 |
Foreign Exchange
Law |
F エフ |
3. |
税法 |
Tax Law |
T テー |
4. |
会社法 |
Corporation Law |
C シー |
5. |
労働法 |
Labor Law |
L エル |
6. |
金融商品取引法 |
Securities Law |
S エス |
7. |
保険法 |
Insurance Law |
I アイ |
8. |
訴訟法 |
Litigation Law |
L エル |
9. |
国防法 |
National Security
Law |
S エス |
10. |
移民法
(貿易法) |
Immigration Law
(Import/Export Law) |
I アイ |
11. |
知的財産法 |
Intellectual
Property Law |
P パ |
12. |
環境法 |
Environmental Law |
E アー |
13. |
業法(規制法) |
Regulated Business
Law |
R アー |
14. |
消費者法 |
Consumer Protection
Law |
C ク |
15. |
仲裁法 |
Arbitration Law |
A エー |
16. |
破産法 |
Bankruptcy Law |
B ビー |
17. |
犯罪法 |
Criminal Law |
C シー |
エフ・テー・シー、エフ、テー、シー、エル、エス、アイ、エル、エス、アイ、パーク、エー、ビー、シー(FTC, F, T,
C, L, S,I, L,S,I, P, E,R,C, A,B,C)と記憶すると便利です。
次回第103回は、上記1の独占禁止法(公正取引委員会)Antitrust Law (Fair Trade
Commission): FTCを取り上げることとします。
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